【徹底解説】ミュージカル俳優になるには?主な仕事内容や必要なスキル

ミュージカル

ミュージカル俳優は、舞台を中心に歌やダンス、芝居をし活動する俳優のことを言います。

演目もさまざまで、王道の『レ・ミゼラブル』から2.5次元という漫画やアニメが原作とした舞台もあります。

今回は、ミュージカルを中心に20年以上俳優として活動している私が、ミュージカルの仕事や必要スキルなどについて徹底的に解説していきます。

ミュージカル俳優とは

ミュージカル俳優は、歌やダンス、お芝居など多彩な表現をする舞台芸術であるミュージカルに出演する俳優のことを言います。

ミュージカルの種類も多様化しており、東宝主催の『レ・ミゼラブル』や劇団四季の『ライオン・キング』のような王道の作品はもちろん、2.5次元ミュージカルという漫画やアニメを原作とした作品も近年増えてきました。

映画やドラマなどに出演する俳優とは異なり、セリフや演技だけでなくダンスや歌唱力も求められるため、多彩なスキルを求められるのがミュージカル俳優です。

ミュージカル俳優の仕事内容

ミュージカルは、歌やダンス中心にお芝居をしストーリーが進んでいく舞台です。ミュージカル俳優は、主にオーディションやオファーで出演・仕事が決まり、舞台上で観客を前にいただいた役を演じることがメインの仕事になります。

1作品で約1ヶ月間の稽古やリハーサルと約2〜5ヶ月の本番、計3〜6ヶ月間作品に携わります。演目によって、本番期間はさまざまです。

また常に演技力やダンス・歌唱力を磨くための練習を続けることも大切な仕事の1つです。

その他にも主演の俳優は、出演するミュージカルの宣伝のための広報活動としてさまざまなイベントに参加したり、テレビやラジオをはじめとした各種メディアに出演したりすることもあります。

ミュージカル俳優に求められるスキル

ミュージカル俳優として活躍するためには、舞台で与えられた役を演じ切るために主に3つのスキルが必要となります。

歌唱力

ミュージカル作品での必須スキルの一つ歌唱力。

感情を込めて歌うことはもちろんのこと、一人で歌うだけでなくデュエット(二人で歌う)やコーラスなど他の俳優と声を重ねて歌うことも多々あるので、息を合わせながら歌うことはもちろんのこと高い技術が求められます。

またそれぞれの俳優によって得意な歌唱法がありますが、作品や曲によってクラシック寄りの発声がいいのか、ポップス寄りの発声がいいのかなど歌い方を使い分けれるようにならなくてはいけません。

こう聞くと大変な作業ですが、すでにデビューしている俳優も作品に入りながら、常にレッスンを重ね少しずつ習得していくので、焦らずまずはレッスンに通いレベルを上げていくことが大切です。

ダンス

ダンスもミュージカルでは、必須スキルです。

ダンスも歌と同様に、ひと口にダンスと言っても作品やナンバーによってバレエやジャズダンス、ヒップホップ、コンテンポラリーなど踊るジャンルが変わります。

そして歌いながら正確に踊れるダンス力、他の俳優さんとペアで踊ったり、コーラスのようにみんなで踊ることも多々あるので、息を合わせながら踊る意識や相応のスキルが求められます。

演技力・表現力

そして演技力や表現力です。

自分の与えられた役のバックグランドや心情を考え、他の俳優が演じるキャラクターとの関係性までも意識した演技力が求められます。

ミュージカルにおいての演技はセリフを喋っている時はもちろんですが、歌っている時や踊っている時もその役として演技をし続けています。自分自身も含め、観客が自然に演技から歌やダンスへ感情移入ができるよう表現し続ける必要があります。

ミュージカルでは歌・ダンス・芝居は、それぞれ別物ではなくすべて表現方法の違う演技なのです。

こんなスキルも必要

ミュージカルは、演技力や歌唱力、ダンスのスキルだけでなく長い公演期間を無事に演じ切るだけの体力も必要です。

ミュージカルは規模によって公演が1〜2か月、長い時は半年など長期に及び、上演時間も1時間半〜3時間と長いことから、体力はもちろん健康管理も求められます。

また舞台によっては日によって俳優が変わったり、稽古中はもちろんのこと本番直前の稽古でも演技やセリフの変更があったりします。

このようなイレギュラーな出来事が起こっても、臨機応変に対応できるよう順応力も必要です。

私の経験上、順応力はさまざまな作品を経験していく中で身についていきます。

下記のURLは、私が稽古や本番中に実際に行なっている疲労回復法です。ご興味のある方は、参考にしてみてください。

『【実践済!】舞台俳優がやってる疲労回復法を紹介!』https://kunimitsu-actor.com/relax/

ミュージカル俳優になるためには

ミュージカル俳優になるために高い学歴や特別な資格は必要ありませんが、俳優として演目に参加するための基本的な道のりを把握しておくことが大切です。ここでは、ミュージカル俳優になるための一般的な方法を紹介します。

芸能事務所に所属する

芸能事務所にタレントとして所属し、ミュージカル俳優デビューを目指す方法です。

しかし、人によってさまざまな個性があるように芸能事務所にも得意な芸能ジャンル(映像や舞台、テーマパークなど)が異なります。

「私はミュージカル俳優として活躍したい!」という場合は、所属俳優のミュージカル出演実績が豊富である事務所を選択しましょう。

ミュージカル俳優のいる事務所をまとめたブログはこちら

『【随時更新】ミュージカル俳優がいる事務所をまとめてみた』https://kunimitsu-actor.com/entertainment-office-2/

芸能事務所の入り方を知りたい方はこちら

『【現役ミュージカル俳優が教える!】芸能事務所への入る方法4選』https://kunimitsu-actor.com/entertainment-office/

ミュージカル劇団の養成所に入る

ミュージカル劇団が運営している養成所に入所してミュージカル俳優としての経験とスキルを磨き、デビューを目指すという方法です。

レッスンだけでなく本番を重ねながら歌やダンスや演技を学べ、 また舞台に立つために必要な技術が習得できる上、舞台の裏側や業界事情なども知ることができます。

しかしミュージカル劇団の養成所に入ると、その所属する劇団に時間を割かなければならないので、劇団以外のミュージカルの出演はほとんどできなくなってしまう難点があります。

音大の声楽科、芸術大学の演劇専攻、もしくは専門学校に入る

演劇や歌唱・ダンスについて専門的に学べる学校に入学し、ミュージカル俳優に必要なスキルを身につけます。卒業した後は、芸能事務所に入って舞台への参加を目指します。

  • 音楽大学の場合:声楽を中心に学ぶことになるでしょう。歌唱力特化型。
  • 芸術大学の場合:演劇専攻に入学しお芝居を中心に学びます。学校によっては、声楽を並行して学べる学校もあるようです。演技力特化型。
  • 専門学校の場合:演劇や歌唱・ダンスを満遍なく学ぶことができます。バランス型。

どの進路が良いのかは人によってさまざまだと思いますが、音楽大学や芸術大学の場合は、学校以外で他のスキルを学ぶ必要があります。

「じゃあ、バランスの良い専門学校が良いのでは?」と思う方もいるかと思いますが、歌や演技に特化した場合は、歌中心もしくは芝居中心の舞台作品オーディションは有利になります。

一般公募しているオーディションに応募する

数は限りなく少ないですが、『レ・ミゼラブル』など一般公募しているオーディションに応募し合格するという方法もあります。

一般オーディションと言っても、参加者にはすでにプロとして活躍している俳優が多く、実績の少ない人や未経験者が合格することはほぼなく、最も難易度が高い方法です。

もし合格できた場合は、さらにいくつかの芸能事務所からあなたに「うちの事務所に所属しませんか?」とオファーが来る場合もあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

ひと口にミュージカル俳優と言っても、さまざまなスキルや仕事があります。

今回の記事を読んで、「私にはミュージカル俳優なんて無理だ」と思ってしまった方もいるかもしれません。

もちろんやるべきことは山ほどありますし、歌やダンス、演技はバランス良く伸ばしていかなければいけません。

しかし、これは私個人の考え方ですが、まずは歌・ダンス・演技の中でも「自分はどれが一番得意か?もしくは好きか?」を把握し、まず一つを徹底的に伸ばし作品で経験を積みながら、同時にレッスンも通いながら後の二つを少しずつ伸ばしていくのがいいのでは。と思っています。

例えば、もしあなたが3つの中でダンスが得意なのであれば、さまざまなジャンルのダンスを踊れるようスキルを伸ばし「ダンス中心のミュージカル作品のオーディションだったら、負けない」くらいまでにしておけば強いと思います。

そして現場に参加しながら、歌や演技のレッスンと経験を積んでいけばいいと思います。

簡単ではないですが、一歩ずつスキルを磨きミュージカルの舞台を目指してほしいと思います。

いつかあなたと、何かの作品でご一緒できる日を楽しみにしています。


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