ミュージカルのオーディションは毎回とても狭き門。そんな中で1%でも高くオーディションに受かる方法があったら知りたいですよね?
近年、コロナの影響もあり紙媒体の書類選考に加えて「YouTubeのURLで動画を送ってください。」という映像審査も多くなってきました。
今回は、20年以上ミュージカル俳優として活動しこれまで10作品以上出演してきた私が、ミュージカルの一次審査に受かりやすくなる方法を紹介します。
※注意:あくまで実力が伴った上でのテクニックなので、歌い方などは割愛しています。
オーディション一次審査内容
すでにご存知の方も多いと思いますが、まずはじめにミュージカルの一次審査方法をご説明します。
すでに知ってるよという方は、次の「スタジオを借りて撮ろう」からお読みください。
ミュージカルのオーディション一次審査は、書類選考です。
2018年ごろまでは、写真付きの履歴書を提出するのみが多かったのですが、2019年にコロナが世界に蔓延して以降、一次審査で映像審査を行うオーディションが急速的に増えました。
コロナ真っ只中では、映像審査で合格まで決めてしまうこともあったぐらいです。
一次審査に映像審査を加えることで、俳優それぞれに新たなメリットとデメリットが加わります。
メリット:書類上での経歴だけでなく、今の実力をしっかり見てもらえるようになった
デメリット:撮影が大変
やはり審査員側も人間なので、書類のみだと色んな作品に出演されている俳優やすでに一緒に仕事をしたことがある俳優の方が安心なので、選びがちになるのは当たり前。
しかし映像審査が加わったことで、新人でも映像で実力をしっかり見せられれば二次審査に通る確率が上がります。
続いては、その「映像審査」をよりよく見せる方法をお伝えします。
スタジオを借りて撮ろう
まずはスタジオをちゃんと借りて撮影しましょう。
時より「カラオケで撮りました」や「自宅で撮りました」という人がいますが、あまりオススメはしません。
なぜなら、印象が良くないからです。
映像は視覚情報がとても多い媒体。カラオケで撮影すると、カラオケの感じが出てしまうし自宅もかなりプライベート感が出てしまうので、自分が審査員の立場であればあまり印象が良くないなと思います。
オススメは、音楽スタジオやダンススタジオなどのレンタルスペースを借りて撮る方法です。
特に歌唱動画であれば、その場で立って歌うことが多いのでなるべくあなたの顔が綺麗に映るように少しでも顔に照明が当たるような部屋を選ぶことがポイントです。
証明的な意味でも、カラオケは暗くなりがちだし部屋も照明というのはなかなか難しいので、そういった意味でもスタジオを借りるべきです。
また、審査員にはあなたに集中してほしいので、映像にはなるべく自分以外は物は写り込まない方が良いでしょう。
作品に合わせて洋服を選ぶ
続いては、「作品に合わせて洋服を選ぶ」です。
これはオーディション時も同じですが、映像審査でも私物でも良いので自分で衣装を選び、それを着て撮影するのが良いでしょう。
例えば、東宝作品なんかは舞台がヨーロッパの作品が多いので、スーツを着て撮影することが私は多いです。
また映像なので、ただの黒スーツではなく鮮やかな青スーツやネクタイにアクセントで赤や印象が残りやすいものを使ったりします。
やはり映像は、視覚情報が多くなるので映える色味を使い「いい人そうだな」や「爽やかだな」と審査員にプラスの印象を持ってもらえるように衣装を選びましょう。
メイクをしよう(男性も)
続いては「メイクをする」です。
女性であれば当たり前ですが、男性も必ずメイクをしましょう。
映像審査なので、1点でも多く稼ぎたいのであればメイクをするべきです。
少しでも美しく見えて損はありません。
BBクリームやコンシーラーでクマやヒゲを消すだけでもかなり印象が変わります。
せっかく撮影して提出するのであれば、とことんまでこだわりましょう。
【番外編】いつでも出せるように準備しておく
それでは、最後に番外編です。
オーディションの話というのは、急にやってきたりもします。また映像審査なのに、〆切までの時間が短かったりあなたも忙しくて「えっ!?撮影する時間がない」っていう時もきっと出てきます。
もちろん映像審査が課題曲など指定の場合もありますが、基本は自由曲がほとんど。
そんな時のためにも、いつでもすぐ提出できるよう時間がある時に撮影しておくのです。
傾向としては、
- 全身を移したパターンで1分
- 全身を移したパターンで1分半
- 腰までの上半身のパターンで1分
- 腰までの上半身のパターンで2分
のことが多いので、この4パターンを持っていれば焦ることはありません。
さらに余裕のある人は、ミュージカルに一括りに言っても、色んなジャンルがあるので、
- クラシックよりのものを一曲
- ポップスよりのものを一曲
など、ストックしておくとさらに良いでしょう。
チャンスの神様は、いつ何時現れるかわかりませんので、しっかり掴めるように日頃から準備しておくことが大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
書類審査(映像審査)は、あなたの第一印象になります。ここで良い印象を残せれば二次審査の助けにもなってくれます。
他のブログでも書いてますが、審査員も人間です。オーディションに真摯に向き合っているかは送ってきた映像を見ればすぐにわかります。映像のクオリティではなく丁寧に撮影されているかどうかです。
「神は細部に宿る」という言葉を肝に命じてください。
また、そこまでやって落ちたのであれば、私自身悔いはないと思います。
どこか一つでも妥協してしまえば「そのせいで落ちたのではないか?」と必ず後悔します。
実際、私も過去に妥協して提出したオーディションがあり、見事に落ち反省したことがありました。
またこれは肌感ですが、そういった中途半端な気持ちで受けたものは、たいてい落ちるというのが私の持論です。
実力も大切ですが、どれだけオーディションの作品に対して「受かりたい!出演したい!」という思いがあるかです。
そして、「じゃあ受かるためにするべきことは?」と逆算し、悔いの残らないように誠心誠意オーディションに臨むのです。
そうすれば、必ず合格、出演の切符を掴むことができるでしょう。
いつの日かあなたと一緒に舞台に立てることを楽しみにしております。
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