「オーディション受けるんだけど、なかなか受からないな」や「オーディションにどうやったら受かるんだろう?」と悩んでいる方も多いのはないでしょうか?
今回は、20年以上ミュージカルを中心に活動し過去に10作品以上ミュージカル作品に出演経験のある私が、ミュージカルに受かるコツを紹介します。
オーディション受ける時の姿勢
まずはオーディションを受ける際の基本の“基”。
オーディション中や控え室で待っている時、オーディション会場に入り出るまで、常に審査員など誰かに見られていることを意識していてください。
常に姿勢良く笑顔で堂々とした爽やかな雰囲気・態度で、挨拶や受け答えもハキハキと行ってください。
誰がどこでどんな風に見ているかわかりません。
私が聞いたエピソードとしては、ある俳優さんは仲間も多く周りからとても慕われていて、控え室で彼の周りに人が集まっている姿を見た演出家が「この役は彼にしようと決めた」という話を聞いたことがあります。
本当に誰がどこで見ているかわかりません。気張りすぎる必要はありませんが、オーディション会場に入ってから出るまで常に見られている意識を持ち、気を抜いてはいけません。
服装は作品・受ける役によって変えるべし
オーディションを受ける時「どんな服装で受けたらいいんだろう?」と思ったことはないでしょうか?
私は、受けているオーディションの作品に合わせて毎回服装を変えています。
例えば、皆さんもよくご存知のミュージカル『レ・ミゼラブル』。
もし、あなたが『レ・ミゼラブル』のオーディションで学生役の男で受けるのであれば、彼らの物語の衣装はジャケットやベスト、Yシャツを着ているのでそういった服装で受けるべきですし、さらにパンツや靴などにも拘るべきだと私は思います。
またあなたが女性で、同じく『レ・ミゼラブル』で
- ファンティーヌを受けているのか
- エポニーヌを受けているのか
- コゼットを受けているのか
で、オーディション時の服装を変えるべきだと私は思います。
またオーディションによっては、ダンス審査があり「動きやすい格好でお願いします」といったこともあると思います。
そんな時でも、あくまで動きやすい格好で作品や役のイメージに合わせた色のパンツやTシャツなどを着るべきだと私は思います。
「なぜ、そこまでするのか?」と言うと、審査員に自分が作品に入った感じをよりイメージさせ「私はこの作品のイメージに合っていますよ」と言うのを、彼らに伝えるためです。
しかし、やはりみんなオーディションに合格したくて必死。オーディションには同じように作品のイメージに合わせてしっかり服装を決めてくる俳優さんや何十人、何百人とたくさんの俳優さんがオーディションを受けに来ます。
場合によっては、似たような服装になってしまうこともあるでしょう。そして、審査員も一人一人の名前や顔をはっきり覚えてられないかもしれません。
そんな時に審査員に自分を印象付ける方法があります。
その方法とは『服装にワンポイントアクセントを入れる』と言う方法です。
先ほども例に挙げた『レ・ミゼラブル』であれば、自分と同じようにジャケットやベスト、Yシャツなどを着てくる俳優さんがいることが予想できます。
そんな時は、例えばジャケットの胸ポケットに『赤チーフ』を入れたり、ネクタイを『鮮やかな光沢感のある水色』にしたりなど、審査員が後で思い返した時に「赤チーフを入れてた子」や「水色ネクタイの子」と記号のように『一言で言い表せる』ようにしておくと、他の俳優さんといい意味で差別化できて良いと思います。
ぜひ試してみてください。
〇〇すると、合格率倍増!?
突然ですが、ここでクイズです。
クイズ:今、歌の課題曲を審査しています。あなたが審査員であれば、下記の1〜4のどの俳優を取りたいでしょうか?
- 楽譜を見てただ歌う俳優
- 楽譜を見て芝居しながら歌う俳優
- 楽譜を見ないでただ歌う俳優
- 楽譜を見ないで芝居しながら歌う俳優
答えは、明らかですね。
そう。答えは…
…
…
…
4番です。
当たり前ですよね。
しかし、オーディションを受けてみると、意外にも4番をやってる俳優の少ないこと。
もちろんオーディションによっては、2日前に課題曲を渡されることもよくあり、どうしても覚えられない場合は2番をやってしまう場合もありますが、早めに渡されている場合でも1〜3番をやっている俳優が多いです。
つまり、そんな中であなたが4番をやれば受かる可能性が格段に上がるわけです。
オーディションではなるべくレベルが高い俳優を取りたいのはもちろんですが、やはり審査員も人間なので、『やる気のある人』少なくとも数ヶ月共に作品を作り上げていくので「一緒に仕事をしたいな」と思わせてくれる俳優を取りたいと思うはずです。
審査員は今までたくさんの人間、たくさんの俳優を見てきているので、「俳優がどのくらい本気で受けに来ているのか?」「この俳優は人間的に問題なく一緒に仕事しても大丈夫な人間か」などは瞬時にわかります。
審査員は数分、もっと言えば1分以内の課題曲の間に俳優の色んな所を見ています。
せっかくオーディションを受けにいくのであれば、一回一回を無駄にせずとことんあなたをアピールするべきだと私は思います。
ちなみに私が審査員の立場であれば、4→2→3→1の順番で取りたいなと思うと思います。
ぜひしっかり準備してオーディションに臨んでください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
私も数知れずたくさんのオーディションを受けてきました。最初は受けても受けても全く受からず、落ちるたびに自分を全否定されたようなそんな気持ちになり、「自分は求められない存在なんだ」と思ったことも多々ありました。
それでも諦めずに先輩にアドバイスをいただいたり自分で試行錯誤しながら、今では5回に1回、良い時では3回に1回などオーディションに受かり、常に作品に入りながら次の作品が決まっている状態が続いています。
本来であれば、ライバルを増やすことになるのでこんな記事は書かないほうがいいのですが、自分よりも若く「ミュージカルに出たい!」と本気で思っていて、俳優として光る何かを持っている方の手助けに少しでもなれればと思い書きました。
もちろん今回のブロフは、歌やダンス、芝居のレベルを常に磨き続けている前提でのお話ですが、参考になれば嬉しいです。
そして、あなたも重々承知かと思いますが、これをやったからと言って100%受かるわけではありません。
ただ、せっかく受けるオーディション。一回一回「自分は悔いなくできた。ここまでやって落ちるんだったら後悔なし。」と胸を張って言えるまでとことん突き詰めるべきだと思います。
そして、審査員も人間です。今回受けたオーディションが受からなくても良い爪痕・いい印象を残していればきっと覚えててくれると私は信じています。覚えててくれて、別作品のオーディションでお会いした時に入れてくれるかもしれません。
本当にどこでどんな風に見られているかわからないので、あなたには一回一回のオーディションを悔いなく大切に受けてほしいなと思います。
そして、いつか何かの作品であなたとお会いできることを楽しみにしております。
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